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報酬・指名委員会の体制および運用にかかる実態調査結果

2016年11月7日
| 日本

【プレスリリース / 東京】2016年11月7日(月)-- ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ: WLTW)は、経営者の報酬および指名に関する委員会の構成や体制・運用の実態等について、報酬委員会もしくは指名委員会を設置済みの上場企業を対象として調査を実施しました。

【調査概要】

  1. 経営者の報酬および指名に関する委員会の構成等について(開示資料より集計)
    • 報酬もしくは指名委員会を設置済みの上場企業700社(2016年10⽉24⽇時点の東証コーポレートガバナンス報告書から集計)を対象に、各企業が開示しているコーポレートガバナンス報告書の内容より委員会の構成等を集計した
       
  2. 経営者の報酬および指名に関する委員会の体制と運用の実態について(任意回答)
    • 2016年7月末時点で報酬もしくは指名委員会を設置済みの上場企業を対象に、委員会の体制と運用の実態に関する調査票を送付し、164社より得られた回答を集計した(回答募集期間は2016年7月末から9月中旬までの約一ヶ月間)
    • なお、調査対象企業にはいずれも、法定委員会を設置している指名委員会等設置会社に加え、任意の諮問委員会を設置している監査役会設置会社ならびに監査等委員会設置会社を含む

【結果概要】

  1. 経営者の報酬および指名に関する委員会の構成等について(開示資料より集計)
    • 任意の諮問委員会を設置している企業では、8割以上が報酬と指名の両委員会を設置している
    • 報酬委員会・指名委員会ともに、委員長の属性が社外取締役か社内取締役かに関する特定の傾向は見られない(社内取締役が委員長を務める割合が若干多いがほぼ同数)
    • 報酬委員会・指名委員会ともに、社外取締役が委員の過半数を占める企業は全体の半数程度(過半数または半数を占める企業は7割弱)
    • 委員の総数は、報酬委員会・指名委員会ともに、 3名から5名で構成している企業が多い(両委員会ともに平均で4.5名程度)
  2. 経営者の報酬および指名に関する委員会の体制と運用の実態について(任意回答)
    • 任意の諮問委員会を設置している企業では、取締役会の諮問機関と位置づけている企業が9割程度を占めている
    • 委員会の開催回数は、報酬委員会・指名委員会ともに平均では3.6回程度だが、1回または2回と答えた企業も4割程度を占めている
    • 報酬委員会における審議内容に関しては、「報酬水準・報酬構成の妥当性」や「インセンティブ制度の仕組みの妥当性」といった制度そのものに関する項目は多くの企業で審議されている一方、説明責任の直接の対象となる「役員個人別の実際支給額の妥当性」を審議している企業は7割弱に留まり、説明対応のあり方に関わる「報酬開示に関する記載のあり方」まで審議している企業は少ない
    • 指名委員会における審議内容に関しては、「指名・選任候補者案についての審議」や「社外取締役の指名・選任候補者案についての審議」といった項目は多くの企業で審議されている一方で、「選任基準の策定」や「CEOの後継・育成計画」といった項目について審議している企業は半数程度にとどまる
    • 委員会の運用に関するその他の定めに関しては、いずれの委員会でも、「事務局を設置している」点や「内規を策定している」点については対応済の企業がほとんどである。なお、「外部専門家の助言やアドバイスの活用」については、報酬委員会においては7割弱の企業が活用していると答えたのに比べ、指名委員会においては3割弱に留まる
    • 任意の諮問委員会における運営方法に関しては、いずれの委員会でも、「委員会審議の議事録を作成し保管している」企業は7割程度に留まる。また、「各委員が議事録の内容を確認し、捺印等をしている」とした企業は4割を下回り、「諮問委員会の委員氏名や委員長(議長)氏名を対外的に開示している」企業は約2割に留まる。任意の諮問委員会の決定が尊重される仕組みを講じている企業はほとんど無い

【コメント】
ウイリス・タワーズワトソン 経営者報酬部門
ディレクター 櫛笥 隆亮、コンサルタント 萩原 良太

報酬と指名の決定手続における客観性と透明性を確保することを目的として、指名委員会等設置会社以外の会社においても任意の諮問委員会を設置する例が顕著に増えている。2015年7月時点で219社であった任意の諮問委員会は、2016年10月24日時点で631社まで増え、法定委員会とあわせると合計700社となっている。(東京証券取引所コーポレートガバナンス報告書より集計)

今回実施した調査結果によれば、報酬諮問委員会・指名諮問委員会については、取締役会の諮問機関として位置づけている企業や、社外取締役を「主要な構成員」としている(委員長を社外取締役とするかまたは半数以上を社外取締役で構成する等により担保しているものと考えられる)企業が多いことから、多くの企業において、形式・構成に関してはおおむねコーポレートガバナンス・コードの原則(補充原則4-10①:『例えば、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の諮問委員会を設置すること』)に沿っていると考えられる。

しかしながら、開催回数については年間1回や2回のように十分な回数とは言えない企業や、審議事項が最低限の内容に限られている企業も多い。また、特に任意の諮問委員会においては、運営方法が十分に整備されているとはいえない面も残っており、委員が自身の担う役割や責務の重さについて認識を高めることを含め、説明責任の強化を目的とした実質的なプロセス整備の余地はまだ大きいといえよう。

【調査結果レポート】
詳細な調査結果は、PDFをダウンロードしてください。

   

ウイリス・タワーズワトソンについて:
ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、企業に対するコンサルティング業務、保険のブローカー業務、各種ソリューションを提供する業務における、世界有数のグローバルカンパニーです。企業の持つリスクを成長の糧へと転じさせるべく、各国で支援を行っています。その歴史は1828年にまで遡り、現在は世界120以上の国と地域に39,000人の社員を擁しています。私達は、リスク管理、福利厚生、人材育成などの様々な分野で、企業の課題に必要な解決策を考案・提供し、企業の資本効率の改善や、組織と人材の一層の強化を図ります。また『人材』『資産』『事業構想』の密接な関係性を理解し、企業を業績向上へと導きます。ウイリス・タワーズワトソンは、お客様と共に企業の可能性を追求して参ります。