《 調査結果 》
上段の棒グラフは報酬水準、下段のパイチャートは報酬構成比を比較。また、直近4ヵ年の推移を表示。



【出 所(2019年調査について)】
2018年度にかかる開示資料よりウイリス・タワーズワトソンが作成。なお、調査対象は以下のとおり:
米 国: | Fortune 500のうち売上高等1兆円以上の企業262社の中央値 |
英 国: | FTSE 100のうち売上高等1兆円以上の企業49社の中央値 |
ドイツ: | DAX構成銘柄のうち売上高等1兆円以上の企業25社の中央値 |
フランス: | CAC 40のうち売上高等1兆円以上の企業33社の中央値 |
日 本: | 総額は時価総額上位100社のうち売上高等1兆円以上の企業77社の連結報酬等の中央値内訳(割合)は連結報酬等開示企業(異常値を除く)59社の平均値を使用して算出長期インセンティブには退職慰労金単年度を含む |
※ 円換算レートは2018年平均TTM(1ドル=110.43円、1ポンド=147.48円、 1ユーロ=130.42円)
《 コメント 》
ウイリス・タワーズワトソン
リワード部門統括/ シニアディレクター 森田純夫
今回の調査結果において、日本のCEOの総報酬は昨年比3.3%増となった。7.9%増であった昨年の調査に比べるとその上昇傾向のペースは落ち着きつつある。特に違いが顕著なのは長期インセンティブで、前年比1.6倍を上回る上昇率となった昨年の結果に対して、今年の結果は約6%増にとどまっており、長期インセンティブの普及が一巡したことを示唆しているといえよう。
一方、欧米企業の総報酬水準は、米国が6.9%増となっている他は英国・ドイツで昨年とほぼ同じ、フランスについては昨年比2.5%減となった(いずれも原通貨ベース)。日本における総報酬水準の上昇率は欧州を上回ったとはいえ、日本と欧米諸国との間で大きな報酬水準差が存在する構図に大きな変化はない。
日本企業におけるここ数年の業績連動報酬の拡大傾向は継続しており、変動報酬は全体の58%を占めるに至り(昨年は52%)、日本企業の業績連動性は、まだ乖離は大きいとはいえ欧州勢にさらに近づいた。
また、日本において高額報酬を支給する企業の比率には大きな変化は見られず、総報酬で2億円以上/3億円以上を支給した企業の比率はそれぞれ、調査対象企業の36%/19%(同昨年37%/19%)であった。ただし、4億円を超える企業の数が8社から11社と、欧州水準に匹敵し得る企業の数が徐々に厚みを増しており、一部企業における高額化傾向を示している。今後もこのような傾向が続くのかどうか、また、より広範に及ぶかどうかが注目されよう。
今年の結果は、コーポレートガバナンス・コードの施行以降続いた各社の制度改革ブームが一服した状況を映しており、その新たな制度をいかに適切に運用するかに焦点は移りつつある。そのうえでは、報酬委員会の審議の実効性を高めるとともに、開示規制強化のなかで、自社の制度の方針から審議の過程に至るまでの全体像をステークホルダーに対してわかりやすく説明することが求められている。
ウイリス・タワーズワトソンについて:
ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、企業に対するコンサルティング業務、保険のブローカー業務、各種ソリューションを提供する業務における、世界有数のグローバルカンパニーです。企業の持つリスクを成長の糧へと転じさせるべく、各国で支援を行っています。その歴史は1828年にまで遡り、現在は世界140以上の国と地域そしてマーケットに45,000人の社員を擁しています。 私達はリスク管理、福利厚生、人材育成などの様々な分野で、企業の課題に必要な解決策を考案・提供し、企業の資本効率の改善や、組織と人材の一層の強化を図ります。また『人材』『資産』『事業構想』の密接な関係性を理解し、企業を業績向上へと導きます。 ウイリス・タワーズワトソンは、お客様と共に企業の可能性を追求して参ります。詳細は弊社ホームページをご覧ください。
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