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特集、論稿、出版物 | ウイリス・タワーズワトソン人事コンサルティング ニュースレター

Transform to Perform(変革実行とその先へ):新しい働き方と高業績企業のエンプロイー・エクスペリエンス

Future of Work|Talent|Total Rewards
COVID 19 Coronavirus

執筆者 Leesa Mills 礒嶋 あづさ | 2021年5月11日

仕事と家庭の境界線が混ざり合い、曖昧になっている2020年。私たちは、新しい働き方を編み出し、この思いがけない状況に対処してきた。

新しい働き方を確立するにあたり、多くの組織が人材管理のため、あるいは今後に向けたビジネス戦略の策定や改良のために機動的なアプローチを採用している一方で、これまで以上に多くの従業員が柔軟な働き方をするようになっている。
成功を最大化するために、HPEX(High Performance Employee Experience)から多くを学ぶことができる。雇用主にとって重要なのは、自社における職場のフレキシビリティの意味は何なのか、従業員に何を提供できるのか、そしてHPEXを高めるにはそれをどのように提供すべきのかをはっきりと知ることである。

職場のフレキシビリティとは

社員一人一人が決まった場所や時間にとらわれることなく働くことのできる環境や仕組み。
ウェルビーイングをEVP(Employee Value Proposition)に結びつけるための一般的な施策である。

テレワーク
コンプレストワークウィーク
(勤務日数の短縮)
ジョブシェアリング
フレックスタイム制
ホテリング
(座席予約制オフィス)

COVID-19の影響

パンデミックの影響下において、企業はビジネスと従業員両方のニーズに対応するため、職場のフレキシビリティを迅速に見直す必要がある。

働く場所
身体的・心理的な安全性
子育てや介護への対応
経済的な安心
多様性の受容

ウイリス・タワーズワトソンでは最近、新型コロナウイルスの感染拡大前の時期に、チームや同僚のほとんどが職場にいる中でも既にリモートで働いていた従業員のエンプロイー・エクスペリエンスについて調査を行った。在宅勤務をしていた従業員の経験には興味深い違いが見られ、組織が今何をすべきかを示唆している。

在宅で働く従業員に関する調査

ウイリス・タワーズワトソン 在宅勤務者のエンプロイー・エクスペリエンス(プレパンデミック2017-2019年版)
課題 実際の経験 新しい機会
協働(Collaboration):オフィスにいる従業員と比べて対面で話す機会が少ない
  • オフィスでのミーティングの際、オンラインでの参加者は他の参加者から認識されにくい
  • 在宅勤務中は上司と直接顔を合わせることが少ない
  • 会議室の使用を減らし、必要に応じてオンライン形式での会議に参加するという形を取る
  • 在宅勤務者が定期的にオフィスに来る機会を設ける
成長(Growth): 上司の目が届きにくく、成長の機会を逃す可能性がある
  • ストレッチしたアサインメントや短期間で成長を促すようなタスクは、物理的に上司の近くにいる従業員に割り振られやすい
  • 全員が新しい業務分担をオンライン上で知ることのできるリソースの活用
  • 在宅勤務者と他の労働者の間でキャリア開発などに関連する機会の追求率を追跡・比較する
発言(Voice) : 発言や意見が認識されない
  • ほとんどのメンバーが対面でミーティングに出席している場合、リモートでの参加者は意見を求められることもなく、その意見も通らないことが多い
  • ミーティングの参加者全員から意見を募るための「発言」の時間を設ける
  • 重要なミーティングは在宅勤務者がオフィスに来ている日に実施する
支援(Support) : 仕事に集中するための環境が整っていない
  • 在宅勤務時にオンラインツールがうまく機能せず、仕事の効率性や会議への参加に影響を与える可能性がある
  • 家庭内の環境が原因で仕事へのエネルギーと集中力が低下する
  • 限られた数の社員が在宅勤務を行っている今、在宅勤務に必要なテクノロジーへの投資を強化する
  • 在宅勤務者にとって最も生産性の高い時間帯に重要な会議をスケジュールする

ポジティブにとらえる

多くの企業は、在宅勤務を含めた柔軟な働き方を実現するために非常に迅速な対応を迫られ、以前には考えられなかったような新しい働き方が生まれている。ここに、真の協力の精神と明確な優先順位があればどのようなことが達成できるかを見ることができる。

お互いのウェルビーイングやメンタルヘルスに対する意識が以前にもまして高まった。そうした中でマネージャーやシニアリーダーが従業員への理解と共感を示したことで、従業員のリーダーに対する信頼はパンデミック以前のレベルをはるかに超えて強くなっている。組織が個々の従業員の置かれている状況に目を配るようになったというのは、歓迎すべきことである。

柔軟な働き方の有効性が2020年に示されたが、それを従業員に提供し続けることで、企業はこのパンデミックを通して築かれた信頼を今後も活かすことができる。これは、すべての従業員が会社から大切にされていると感じ、十分に会社に貢献するためのまたとない機会となる。

また私たちは、同僚、リーダー、顧客の背後にいる人々をより深く知ることにもなる。私たちは在宅勤務により、他の人の家庭や生活を垣間見ることがある。同僚は食卓で仕事をしたり、子供のオンライン学習を見ていたり、仕事の邪魔をしてくるペットと戦ったりしているかもしれない。全社員が在宅勤務を行っている組織では、全員がビデオ通話で会議に参加したり、コラボレーションツールやソフトウェアを活用して連携するなど、より誰もが参加できるようなフォーラムの事例が増えている。

メリットを活かすには

ハイブリッドな働き方へと移行するにあたって重要なのは、職場の会議室にいる人も自宅から会議に参加している人も同じものを見聞きし、経験できるようにしていくことである。すなわち、勤務場所や雇用形態といった違いにとらわれることなく、皆の意見が一致し、良好な協力関係を保てるようにすることが必要である。

どのような場所からでも仕事に貢献し参加できるという意味で、新しい働き方は人材の効果的な活用にも役立っている。これは、何が採用やオンボーディング、そして人材育成のための最善の方法なのか、あるいは本質的なコーチングやチームビルディングの最適な方法は何かを示唆するものである。

また、企業は自社のカルチャーや価値観が確かに生き、この新しい環境の中でも従業員の指針となるよう、それらを組織に浸透させる必要がある。同様に重要なことは、柔軟で弾力性のあるマネージャーを育成すること、また様々な新しい働き方が試行錯誤を経て導入される中でチームを指導できるよう、マネージャーをサポートすることである。

今後、企業にとって重要なのは、柔軟な働き方を成功裏に活用するための自身の最適な立ち位置を見極めること、自身がその達成に向けた過程のどこにいるのかを理解することである。そのためには、以下のようないくつかのポイントが挙げられる。

エンプロイー・エクスペリエンスを高めるためのマネージャートレーニング

  1. 01

    施策とプログラム

    • どのようなプログラムがあるのか?
    • 広範囲をカバーする施策はあるか?
    • COVID-19以降、更新されているか?
    • それらはI&Dや介護のニーズをどのようにサポートしているのか?
  2. 02

    リーダーのマインドセットとカルチャー

    • COVID-19以降、どのようなことを従業員に伝えているか?
    • リーダーはフレキシビリティを支援しているか?
    • フレキシビリティは組織のカルチャーに含まれているか?
  3. 03

    ワークプロセス

    • 役割やタスクは柔軟性があるか?
    • 仕事は限られた時間帯以外でも行うことはできるか?
  4. 04

    従業員を支えるテクノロジーとインフラ

    • 柔軟な働き方をサポートするテクノロジーはあるか?
    • 十分なセキュリティが確保されているか?
    • 適切なリソースが用意されているか?

おわりに

2020年、コロナウイルスがもたらした状況下で企業は在宅勤務を含む柔軟な働き方を導入し、この思いがけない状況は、組織がこれまで目に留めてこなかった様々なものに目を向ける機会となった。また、柔軟な働き方はかつて想定していたよりずっと早く広がっており、物理的なオフィスの縮小を決断した企業もある。

困難の中で得られたものは何か、改善すべきことは何か、そこから学び、今後に活かせることは何か。私たちは、必要に迫られての変化から、その先へと向かうことを考えるべき時に来ている。

執筆者プロフィール

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